僕がジュニアサッカー指導をしてきて、
もっとも理想とするチーム像があります。
試合会場での様子で伝えるならそれは、
【①試合前】
選手たち自ら相手チームの分析をし始めている。
練習で積み重ねたことをリンクさせて、試合の進め方・闘い方をチーム内で共有している。
【②試合中】
監督・コーチの指示を仰がず、ピッチ内で自ら課題解決を繰り返している
【③ハーフタイム】
前半で気づいたこと・発見したことをチームメイトと話し合い、後半の戦略・戦術を決める
【④試合終了後】
あたかも当たり前のように勝って帰ってくる。
どうですか?(笑)
監督・コーチの指示を受けなくても主体的な行動で結果を掴んでくるのであれば、
それ以上に最強のチームはないと思うんです。
(見たことないですが笑)
理想ではありますが、最終的には、こういった瞬間を少しでも経験できるように
日頃の指導を心がけています。
なんでそれをするかという目的ですが、
結論、指示・命令を受けてやっと行動できる選手だと、社会に出た時にはもう活躍できないから。
謂わば「”マニュアル人間”にはなるな」というメッセージです。
選手には率先して新しい考えを形に変える大人へとなって欲しいなと思います。
そのため、日頃から意識することは「考える力」をどうやって養うかということです。
考える力を付ける代表的なアプローチは質問することですが、
僕がハーフタイムでよく実践することをお伝えします。
サッカーのハーフタイムは一般的には後半へ向けた
指導者から選手へのアドバイスの時間です。
スポーツをされてきた方からすると当たり前ですが、
僕はこれを(特に練習試合なんかは)通常より抑えています。
理由は理想のチーム像【③ハーフタイム】に近づかないからです。
でも放任する訳ではありません。
前半から選手が戻ってきて「考える力」を養う為に、
質問します。
よく使うフレーズが
「気付いたこと・わかったことある?」です。
すると選手は想いおもいのことを発言し始めます。
ああでもない、こうでもない、あれは良かった、相手のあそこはねらい目かもな
なんて話をします。
アドバイスするより、選手同士で気づいたこと・分かったことを共有する方が
学習効果も高いはずです。
毎試合毎試合、これを繰り返します。
次第に質問しなくても勝手にベンチに戻ってから話し始めるようになります。
指導者からしたもう一つの利点は、
試合の本質の課題に、「気付いていること」と「気付いていないこと」が会話からわかるという事です。
例えば、選手たちが、課題に気付いていて改善しようとしていると会話から分かれば、
その点について叱ったり、指摘しなくても済むという事です。
選手たちはすでに分かっていることを追い打ちをかけて叱られることを嫌います。
わざわざ嫌われることをしなくて済むという事です。(笑)
あとは、会話から課題に気付いていないことがわかれば、
その点に絞ったアドバイスをすることができます。
情報過多なアドバイスをして選手の頭に大渋滞をおこすことなく
後半へ向かいやすくする効果があります。
これらをすることで、選手自らの考える力が身に付き、
指導者が試合をコントロールするのではなく、
選手がコントロールし始めます。
そのきっかけになることが、
ハーフタイムでの質問「気付いたこと・わかったことある?」です。
皆さんが試合中におこなう工夫はありますか?
良ければぜひ教えて下さい。
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