日本サッカー界は度々このようなことを言われてきました。
テクニックはあるけど試合で発揮するスキルがない。
特にコンタクトがある中でのプレーの質が低い。
世界でも活躍され、日本のJリーグ(名古屋グランパス)でも活躍くださった
ベンゲル元監督やストイコビッチ元監督も
同じことを言ったと元サッカー日本代表選手の中西さんは言います。
さらに、男子ラグビー日本代表を率いたエディジョーンズ元監督も
日本のスポーツ指導は「テクニック」ばかりを教えるが
重要なのは「スキル」だと言いました。
「私は子供たちをコーチングしたことがないのですが、ラグビーで一番重要なのはスキルです。スキルとテクニックの違いを知ることも大切です。日本のコーチはテクニックばかりを教えます。キャッチパスをとっても、どういうパスをどんなタイミングで出すかを教えるのがスキルです。子供たちに教えるときは、状況判断とセットにする必要があります。
JRFU第41回「みなとスポーツフォーラム」リポート(エディー・ジョーンズヘッドコーチ)
https://www.rugby-japan.jp/2014/04/18/id25271/
私も小学3年生からサッカーを始め、
恵まれた環境から世界のトップレベルを間近に見てきました。
ダノンネーションズカップ、東京国際ユース、サニックス杯。
体験こそできなかったものの現場を観ていて感じたことは
日本のジュニア年代は世界と比べて通用する選手が圧倒数いることです。
ではなぜそれが大人になってくると
逆転していくのか?
その理由になったのが「テクニック」と「スキル」の習得の違いでした。
サッカーで言うならTVで輝く選手たちは
欧米・南米出身の選手がほとんどです。
どの選手も「スキル」の高い人たちばかり。
ではそもそも「テクニック」と「スキル」の違いはなんでしょう?
National Soccer Coaches Association Of America (全米サッカーコーチ協会)によるとこう記述されているそうです。
Technique is the ability to perform a physical task, whereas skill is the ability to perform a task in a game setting.
SOCCER SKILLS & DRILLS BY NATIONAL SOCCER COACHES ASSOCIATION OF AMERICA.
テクニックとは物理的なタスクを行う能力のことであり、スキルとはゲーム時(実戦)にタスクを行う能力のこと。
私なりに簡単にまとめると、
「テクニック」‥‥プレー技術
「スキル」‥‥実戦で発揮できるプレー技術
実戦で使われる技術であるか否か
が「テクニック」と「スキル」の違いです。
エディーさんも言うように、日本スポーツはテクニック系の
練習がラグビーに限らず多くのスポーツ現場で行われます。
サッカーでいったらマーカーとマーカーの間を素早く移動するドリブルトレーニング。
日本人はみんな上手なのですが、いざ試合になると発揮できないことが多くあります。なぜなら、実戦では常に状況を観て、瞬時に考え判断してプレーすることが求められるからです。
「テクニック」の習得に判断は必要ありません。判断のない中で正確にプレーできる技術を「テクニック」と呼ぶからです。
一方、欧米・南米では、「テクニック」を身に付けるより重要的に実戦形式でどんどん「スキル」の獲得をしていきます。緊迫感のあるゲームの中で、常に考え判断し、持っているテクニックを発揮していきます。これが「スキル」です。
すると大人になるにつれて高いプレッシャーの中でも常に判断を下しながら遺憾なく「スキル」を発揮できるようになり、気付くと日本スポーツを逆転していきます。
【スキル=テクニック+判断】
と言う事もできますね。
皆さんは「テクニック」と「スキル」どちらの獲得が重要に思いますか??
巷には、スポーツ以外でも「テクニック」について書かれた書籍や動画が
沢山あります。それが全て良くないという訳ではなく、「スキル」にする
ために「テクニック」を学ぶという本質に戻らなくてはいけません。
「スキル」の獲得。
あなたの持っている力は実戦で発揮できる「スキル」ですか?
私も1人の指導者として、指導上の「テクニック」をもつだけでなく、
指導の「スキル」を獲得し磨いていきます。
全ての力を「スキル」に変えていきましょう。
では。
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