僕たちの暮らしには、似て非なる言葉が多く存在します。スポーツでも同じような意味で使われる言葉が多く存在し、知らず知らずのうちに曖昧のまま使っています。
例えば、
『ヘルプ』『サポート』『フォロー』
この意味の違いは知っていますか?検索するとどれも同じように「支援する」「助ける」「手助け」などが出てきますが、今回はそれぞれを紐解いていきます。
■『ヘルプ』
肩代わりして相手を助けるときに使います。
アルバイトでは「ヘルプに来ました」という言い方でよく聞かれますが、相手の代わりになって役割や仕事を行う意味として使われます。またヘルパーという職種があります。介護士さんのことです。ヘルパーは、日常生活に支障がある方の生活介助をしています。身体が上手く動かせないその代わりとなって生活を助けるお仕事です。そのためヘルプは「手助け」の中でも「肩代わりする」という意味合いが強く含まれます。
■『サポート』
相手が活動を続ける前提で、相手が活動しやすいように支えるときに使います。
『サポート』には「応援する」「支える」という意味もあります。試合会場で大声援を送るサポーターは、選手自身では難しい背中の後押しをおこなっています。また、よく選手の怪我の処置として、テーピングなどのサポーターを施すことがあります。そのサポーターは、選手が競技を継続する上で助ける役割を担っています。『ヘルプ』との違いは、助けられる人と手助けする人の「行動量の割合」です。
『ヘルプ』は、手助けする人がメインに行動を行います。しかし『サポート』は、助けられる人と手助けする人の役割は違えど(例えば、「競技者」と「応援者」)その行動量は同じくらいになります。
■『フォロー』
相手の行動を追跡し、場合に応じて相手の行動を補うときに使います。
フォローには「追跡する」「後を追う」などの意味があります。InstagramやTwitterなどではアカウントをフォローすると言いますが相手の発信や行動を追いかけることを指す表現です。また、世の中の車のほとんどがカーナビ搭載車になっています。カーナビにはGPS機能がついていて、現在地と目的地を常に確認させてくれます。運転しながら目的地に向かうのは運転手の役割ですが、ルートから外れると、GPS機能が探知して、「ルートを変更しますか?」と目的地に向かえるようにカーナビがすかさず「手助け」してくれます。
スポーツでも「味方をフォローしよう」と言いますが、メインで行動している選手の様子を確認しながら、もし不足していることがあればその都度有効な関わりをすることがフォローにあたります。
『ヘルプ』と『サポート』との違いは、『フォロー』は常に「手助け」するのではなく、定期的に・状況別に「手助け」することにあります。
■まとめ
『ヘルプ』と『サポート』と『フォロー』は似たような言葉だけど意味が違うという話でした。実は指導現場、教育現場をみていて「ヘルプが多くないか?」「フォローが少なくないか?」と思うことがあります。
大人が子どもに対して『ヘルプ』ばかりの「手助け」だったらどんな子に育つでしょう?肩代わりされる機会が多く、自分で行なうことが減るため、自立が遅くなる子に育つでしょう。
・子どもが自立して欲しい。
・選手が自ら考えて行動できるようになって欲しい。
という願いはこの『ヘルプ』『サポート』『フォロー』の”割合”にヒントが隠されているかもしれません。選手の発達段階や性格に応じて、それぞれの「手助け」の割合を変えていくことが望ましいと思いませんか?いま目の前の選手に対する最も必要な「手助け」は何でしょう?またどのくらいその「手助け」は必要でしょう?最適な「手助け」を選択して大人も子どもも成長するスポーツ活動にされてください。
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