ブログ「総戦力」

【チャンクダウン思考】で具体的な指導・育成・考えに変える

この記事は、
「選手に深い考えを持たせることができるには…」
「具体的な指導をしたいけど、どうも難しい…」

というスポーツ現場の課題を、少しでも解決するヒントを紹介しています。

キーワードはチャンクダウン(細分化)思考。僕たちコーチがよく使う考え方です。
本記事は以下の内容が書かれています。

✅ 内容
1.チャンクダウンとは?
2.要素と構造に分ける考え方
3.チャンクダウンの方法
4.指導者にチャンクダウン思考が備わると
5.これからのスポーツ

では、それぞれ紹介していきます。

■ チャンクダウン

 チャンクという言葉をどこかで聞いたことはありますか?STAR BACKS COFFEE にいくと、どこの店舗のショーケースにもこんな商品が置いてあります。

 チョコレートチャンクスコーンという商品です。チャンクとは「塊」を意味します。ダウンとは「細かくする」という意味です。僕たちコーチは、コーチングの中で、物事を要素と構造に分解して、それぞれを明確にしていきます。抽象的なことより、具体的な方が行動しやすくなるからです。その作業をチャンクダウン、その考えをチャンクダウン思考と呼んでいます。

以下、チャンクダウン思考を練習しながら、事例の紹介とメリットを説明していきます!

■ 要素と構造に分解する練習

チャンクダウンの練習を2つしてみましょう。
1つ目は、ハンバーグの材料について。ハンバーグをつくるための必要な材料に何がありますか?
2つ目は、パソコンの製造について。パソコンを作り上げている部品には何があるか分かりますか?
画面の下へいく前に、考えてみて下さい。


ハンバーグの材料には、ひき肉・玉ねぎ・パン粉・卵・塩・胡椒・ナツメグ、などの材料があります。
パソコンの製造では、 フレーム・液晶・キーボード・パッド・アダプター・液晶・カメラ・マイク、などの部品があります。

それぞれ「ハンバーグを作ってください」「パソコンを製造してください」と頼まれてもできなかったものが、材料や部品が分かるだけで人は、作れるにように近づいていきます。

 こうして、物事を要素と構造に分解して、成り立ちを確認すると「できる」ようになっていきます。これは、スポーツでも同様です。

■ ストライカーを要素と構造に分解する

 詳しく説明します。サッカーにはストライカー(点を決める選手)という役割があります。では、あなたが指導者でストライカーを育てたいとします。

 ストライカーが得点するまでの一例には、
①いいところでボールをもらう
②相手ディフェンダーをかわす
③シュートして決める

があります。これが「ストライカー」という”構造”です。
では、それぞれの”構造”の中には、どんなスキルや能力といった”要素”があるでしょうか?

▼①の”要素”(スキルや能力)
・ポジショニング
・ボールを受けるタイミング
・動き出し
・俊敏性、など。
▼②の”要素”
・ボールコントロール
・ドリブルスピード
・バランス力
・相手との駆け引き
・闘争心、など。
▼③の”要素”
・嗅覚(感覚)
・シュート力
・シュート精度
・シュートバリエーション
・冷静さ
・遊び心
・勝負強さ、などが入ってくるでしょう。

 こうして、要素と構造に分解できたら、あとは選手の苦手な構造部分を確認します。そして、足りていない要素を発見してあげます。もし選手が、シュートを打つバリエーションが不足していると分かれば、必要な要素の習得に集中できるようになり、ストライカーとして育ちやすくなるからです。このようにチャンクダウン思考は、選手を最適に育成する手がかりにもなります。

■ チャンクダウンの方法

 では、チャンクダウンの方法についてです。僕は、BIGチャンク・MIDDLEチャンク・SMALLチャンクの3段階に分けることをお勧めしています。 

 例えば、野球で「球速150㌔のストレート」を投げるピッチャーがいるとします。「球速150㌔」がBIGチャンクです。MIDDLEチャンクにどんな要素があるかというと、フォーム・筋力・柔軟性・体幹があります。さらに、「筋力」について分解すると、肩・足・腰・腹筋という要素が出てきます。これがSMALLチャンクになります。

■ チャンクダウンシート

 以上の方法にツールを合わせた一つがチャンクダウンシートです。大谷選手が高校時代に活用していたと知られるツールで曼荼羅チャートとも呼ばれます。真ん中にBIGチャンクを書き、その周りにMIDDLEチャンク、SMALLチャンクの順で埋めていきます。 

 分かりやすいように、サッカーとラグビーを要素と構造にチャンクダウンした曼荼羅チャートを用意しました。飽くまで参考程度に活用ください。

■ 指導者にチャンクダウンの思考が備わると

 話しを戻して、150㌔のストレートを投げるために、指導者さんのよくある指示で「筋力をつけなさい」と言われるそうです。しかし、それだけだと選手は、どの筋肉をつけたらいいか分かりません。だから「君には足と腰の筋肉が足りないから、まずは足の筋肉から増やしなさい」とSMALLチャンクで的確かつ具体的な指導をした方が、効果的な成長が見込めます。

 また、具体的な指導を受けて成長した選手たちは、プレーに対する考える力も深くなります。抽象的な視点から、より具体的な視点を多く備えることができるからです。チャンクダウン思考の指導は、選手に考える力を備えるきっかけにもなります。

■ 言語化する力が重要

 しかし、そうも簡単に、BIGチャンクをSMALLチャンクまで分解できないことが現状です。なぜなら、言葉が出てこないからです。上記の野球を例にすると、「フォームをチャンクダウンしてください」と投げかけてもほんの数秒で答えられる指導者は多くいません。これは、適切な言葉を導き出すことに不慣れという原因があります。

 『言語技術が日本のサッカーを変える』という本の中には、「ドイツに研修にいったとき、選手たちは練習に対して「なぜこの練習をするの?」と聞いてくるが、それに対して日本人指導者は的確に答えることができなかった…」と書いてあります。日本の指導は、感覚的に大切に感じていることを言葉に置き変える力が乏しいと分かる内容です。

 このチャンクダウン思考はある意味、日本のスポーツ指導の課題になっています。物事の一つひとつを明確に捉えて、言語化する力を高めることができれば、これからのスポーツ界の急速な発展に繋がっていきます。

■ まとめ

 この記事では、チャンクダウン思考とその重要性を紹介してきました。

✅ まとめ
・塊を細かくする(細分化)思考
・ポイントは、物事を要素と構造に分解すること
・メリット①:「できる」ようになる
・メリット②:最適な育成の手掛かりが見つかる
・メリット③:具体的な指導ができる
・チャンクダウンをするには、語彙を増やすこと

 スポーツコーチングを専門としている僕は、指導者さんの思考がクリアになるお手伝いをしています。ご興味ありましたらお問い合わせください。また、このような、指導者・選手・チームの成長スピードが高まり、力を最大限発揮できる方法を、スポーツコーチング基礎講座にて定期的にお伝えしています!!11月に講座説明会もありますので是非ご参加下さい😊

 的確かつ具体的な指導育成ができると、選手の行動や成長のスピード感は高まります。そんなスポーツ現場が増えるといいですね!

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