「いつもより調子悪いな…」
「能力はあるんだけど、試合で発揮できてない…」
「練習はいつも頑張っているのに伸び悩んでる。」
そんなスポーツ現場の課題を解消できる方法を、この記事でお伝えします。
ポイントは【 P = P – I 】。
スポーツ指導にとって、なくてはならない考え方です。
✅ 本記事の内容
1.力の発揮は、「能力」ー「弊害」
2.【 P = P – I 】の中身
3.パフォーマンスの高め方
4.日本スポーツの現在とこれから
■ 結論
さっそくですが、本記事の結論を書くと
「試合で発揮される力」は、
「これまでに身に付けた能力」から、
「弊害・障害」を引いたもの。
僕たちスポーツコーチングの専門家は、
これを簡単に次の式に置き換えています。
Performance = Potential – Impediment
▶試合で発揮される力・・・・・Performance
▶これまで身に付けた能力・・・Potential
▶弊害・障害・・・・・・・・・Impediment
試合におけるパフォーマンスは、能力だけでなく、弊害・障害が関わっているということです。
事例をもとに紐解いていきます。
■ 【P=P-I】の考え方
【 P = P -Ⅰ】を紐解くとき、数値化すると分かりやすいです。
「あのライバル選手に勝ちたい!」
ある柔道の大会にて、選手がそう思っているとします。
対戦相手の Performance Level は50なので、
選手はそれ以上の力を発揮できれば勝てます。
現在の選手の Potential Level は55。
過去の対戦成績は、ライバルに勝ち越していて
前評判だと今回も勝てると噂されています。
でも試合当日、緊張や不安やプレッシャーといった
Impediment Level が10になってしまいました。
結果はどうなるでしょう…。
以上を式に表すとこんな感じになります。
Performance Level が低かったために負けてしまいます。
スポーツではこうしたことが頻繁に起こっています。
では、Performance Level を高めるためにどうするといいでしょうか?
■ Performance を高めるために
Performance の高め方は、主に2つあります。
① Potential を高める
② Impediment を取り除く
Potential には、
・スキル・テクニック・フィジカル・戦術/戦略・インテリジェンス
などが含まれています。
上の事例では、それらをもっと高めれば、勝てることでしょう。
でも、 Potential はそう簡単に高めることはできません。
Potential は向上するのに時間がかかるものだからです!
筋肉を例に挙げて考えましょう。
僕はベンチプレスMAX85㎏を上げる能力を持っています笑(2021年10月現在)
でも今日たくさん筋トレしたからといって、明日90㎏を持ち上げることはできません。
筋肉は、筋繊維の破壊→回復の繰り返しによって、大きくなり強さが増すからです。
よって、5㎏UPするには、1日以上の多くの日数がかかります。
この Potential の向上は筋肉に限らず、
スキル・テクニック・戦術/戦略・インテリジェンスにも言えます。
だから、私たち、選手や指導者はトレーニングを繰り返して、長期的に Potential 向上に努めていきます。
ここで注意が一点あるのでお知らせです。
■ スポーツ界が陥る罠
「がんばれ!」「諦めるな!」「お前の力はそんなものか!」「死に物狂いでやれ!」
こうして Potential の向上を煽ることがスポーツ界にはしばしばあります。何もそれがダメという話しではなく、やりすぎは注意という話しです。
「バーンアウト」
この言葉を聞いたことはありますか?いわゆる「燃え尽き症候群」。ここでは「故障」も入れます。
熱気球を例にしましょう。
熱気球はガソリンによって炎を出し、気球の中に空気を溜めて浮上します。
ここでは「火力 = Potential 」です。
でも熱気球は飛ぶ前に、たくさんの砂袋が付いているんです。いくら火力を高めても、砂袋が付いていては、思い切った浮上はできません。「練習を頑張ってるのに伸び悩んでる…。」という原因はここにあります。
「砂袋 = Impediment 」です。
でもこの事に気付かず、我々指導者は、選手に「もっと頑張れ!」「もっとやれ!」と発破をかけてしまいます。砂袋をつけたまま頑張る選手たちは、いずれガソリン切れになり、「バーンアウト」。燃え尽きるか故障します。
だから砂袋が付いていることに気付いて、気付いたら取り除いてあげる。
このことも Performance を高める大事なお仕事です。
■ Impediment には何があるか?
では、熱気球でいう、砂袋。選手・チームの力の発揮を妨げるImpediment(弊害・障害)は、スポーツ界にいくつあるでしょうか?
簡単に思い浮かぶのは、不安や緊張やプレッシャーです。他にもまだまだあるので考えてみて下さい。ここで、僕たちスポーツコーチングの専門家が分かったことがあります。それは、指導者が知らず知らずに Impediment(弊害・障害)を選手に与えているという事です。代表的なのは、指導者の言葉や態度です。脅しや曖昧、威嚇はパフォーマンス発揮の弊害になるので注意しなくてはいけません。
■ まとめ
この記事では、選手の力を最大限に引き出すために、【 P=P -I】という考えがあることを知り、特にImpedimentを減らしていくことを紹介しました。
✅ まとめ
・Performance = Potential – Impediment
・Potential を高めることは大事。しかし、時間はかかる
・Impediment を取り除かず、Potential を高め続けることは要注意!
・選手の力を引き出すには、Potentialを高め、Impedimentを取り除くこと。
その他の Impediment の要素や、その取り除き方、さらには、Potential 向上を加速させる方法など興味がありましたら、いつでもお問い合わせください。また、選手・チームが力を最大限に発揮できる詳しい指導方法を、スポーツコーチング基礎講座にて定期的にお伝えしています!!「スポーツコーチング概要」の説明は随時申込みいただくことが可能です!
【 P = P -I】をヒントに、選手の調子の取り戻し、試合で本来の力を発揮できる指導育成を増やしましょう!!
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