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きく力

選手と指導者の関係性が話題になっています。

どのスポーツ現場でも
指導者さんが昔受けていた指導方法と
今の選手たちに対する指導方法の違いに
多少なりとも困惑しています。

そんな中で、
「選手の想いをまずはしっかりとききたい」
「きく力が大切だと思うんです」
とある指導者さんがお話くださいました。

まさにその通りで、
これはスポーツ以外でも同じことが言えるので
書いていきます。

この「きく力」
まずは何を目的に活用する力かというと
・相手の感じている(または考えている)ことの細部を理解する
目的で活用されます。

相手の口から発せられた情報を耳からキャッチして
相手の胸の内に抱えていることを
如何に理解してあげられるかという力です。

というと、
話を聞いて、相手が言った言葉の内容そのものだけの解釈で
相手の感じている(または考えている)ことの細部を理解できますでしょうか?

例えば、
最近チームに入りたての小学4年生の選手が
「コーチ、朝からお腹が痛いので練習休んでもいいですか?」
と言ったとします。

お腹が痛いことを訴えてきた事実がある訳ですが
相手の感じている(または考えている)ことの細部には

もしかしら、

「お腹が痛い(のは昨日学校で友だちと喧嘩して仲直りできてなくて今日会うことを考えるとお腹が痛くなってきた)ので休んでもいいですか?」

なのか、

「お腹が痛い(のは口実で、実はサッカーが楽しくない)ので休んでもいいですか?」

かもしれないですし、
もっと言えば、

「お腹が痛い休んでもいいですか?(今朝実は家でトラブルがあったんです。自分としては練習したいんですけど、どうしてもできません。親からもそう言って休みなさいと言われました。)」

かもしれません。

この時、
「お腹が痛いので練習休んでも良いですか?」
という表面上の解釈だけでは相手の心境の細部を
理解しきれないんです。

「きく力」は奥が深く
ひらがなで表現しているのも訳があります。

「お腹が痛いので休んでもいいですか?」という相手が自分に「休んでもいいですか?」
言ったことが分かる力を「きく力」の中の「聞く力」
だと僕は思っています。

「お腹が痛い(のは昨日学校で友だちと喧嘩して仲直りできてなくて今日会うことを考えるとお腹が痛くなってきた)ので休んでもいいですか?」

と「休んでも良いですか?」の言葉の裏にある感じている(または考えている)ことまで
分かる力を「きく力」の中の「利く力」
だと思います。

「利く」という言葉
よく利き酒や鼻が利く、気が利くなどで使われますが
意味は「識別する/感覚の違いを認知する」という意味です。

※他にも「きく力」には「聴く力」「訊く力」「効く力」があります。

なので、「休んでもいいですか?」に含まれる相手の普通とは違う感じてること(または考えていること)を認知できる力でもあります。

そして利くには
相手の表情/姿勢/態度を観て
声のトーンやボリュームから変化を感じとることが大切になります。

「聞く力」と「利く力」にはレベル差があり、
「利く力」は高度なスキルです。

しかし、このスキルがなかった場合、僕たち指導者はどうなるかというと
・本当の相手を知れなかったり
・知らないうちに関係が悪くなったり
・危険を察知できず大きなトラブルになったり

と様々な問題を招いてしまいます。

昔と比べて、選手との関係性が難しくなってきた時代です。
選手に関わらず、社会の至るところでも
関係性の難しさを感じている方は多くいると聞きます。

相手が言った言葉そのものだけでなく、
感じていること(考えていること)を識別して普通との違いはないか
アンテナを立てながら利いてみて下さい。

相手の感じている(または考えている)ことの細部を理解する
ことで真の選手を知ることができ、
選手と指導者の関係が良くなり、
互いにベストパフォーマンスを発揮しやすくなるのではないでしょうか?

長くなったので今日はここまで。
では!

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